イベント情報
藤野升八郎(1819-82)は、越前国坂井郡本荘村(現・あわら市)の医家に生まれ、在村医として地域医療に貢献しました。弘化三年(1846)に大坂の適塾に入門した升八郎は、退塾後も師・緒方洪庵と交流し、洪庵の息子たちにも慕われました。
升八郎の三男・厳九郎(1874-1945)は、仙台医学専門学校(東北大学医学部の前身)教授を勤め、のちの文豪・魯迅を熱心に指導しました。魯迅が終生尊敬した恩師を描いた自伝的回想記「藤野先生」は教科書に掲載され、厳九郎は中国で有名です。
升八郎の孫で厳九郎の甥にあたる大阪大学微生物病研究所長(第4代)・恒三郎(1907-92)は、腸炎ビブリオ発見の功績を挙げた細菌学者です。さらに医学史研究、適塾の顕彰活動に取りくみ、適塾を通じて歴史小説家の司馬遼太郎と親交を深めました。
本展では、本学微生物病研究所創立90年、厳九郎生誕150年の節目に当たり、藤野家伝来の資料を中心に、三人の藤野先生の生涯と交流をひもときます。三人の系譜を辿り、藤野家に流れる適塾の精神に迫ります。
展覧会概要
【期間】 2024年4月24日(水)~2024年6月22日(土)
【開館】 10:30~17:00(入館は16:30まで)
日曜・祝日休館 ※ただし5月3日は開館
【入館料】無料
【会場】 大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3F多目的室
【主催】大阪大学ミュージアム・リンクス(大阪大学総合学術博物館、大阪大学適塾記念センター、
大阪大学アーカイブズ)、適塾記念会
【共催】大阪大学微生物病研究所、阪大微生物病研究会、大阪大学人文学研究科
【特別協力】福井県
【協力】あわら市、あわら市日本中国友好協会、大野市歴史博物館、司馬遼太郎記念館、東北大学史料館、日刊県民福井・中日新聞、福井市立郷土歴史博物館、福井新聞、福円寺(あわら市)、松江市立鹿島歴史民俗資料館
【協賛】豊中市日本中国友好協会
展示構成・主な出品資料
第1章 洪庵の高弟・藤野升八郎
第2章 魯迅の恩師・藤野厳九郎
第3章 腸炎ビブリオ発見者・藤野恒三郎
関連イベント
〈特別企画〉
【日時】5月18日(土)14:00~16:45
【会場】大阪大学会館 講堂
【講演】木下タロウ(大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授)「適塾と大阪大学微生物病研究所」 竹田美文(元国立感染症研究所所長)「私の藤野先生―細菌学史にその名を刻んだ腸炎ビブリオの発見―」
※定員300名/開始30分前開場。参加費無料・事前申込
詳細は以下をご覧ください。
〈特別企画〉「適塾と大阪大学微生物病研究所」・「私の藤野先生―細菌学史にその名を刻んだ腸炎ビブリオの発見―」
〈ミュージアム・レクチャー〉
【日時】①5月11日(土) ②6月1日(土) ③6月8日(土) 13:30〜15:00
【会場】大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3Fセミナー室
【講演】①柳沢芙美子(元福井県立文書館古文書調査専門調査員)「ふくいの種痘と適塾」
②赤澤秀則(松江市立鹿島歴史民俗資料館館長)「魯迅と増田渉―医師にならなかった二人―」
③西川哲矢(大阪大学適塾記念センター特任助教)「三人の藤野先生―その医業と教育―」
※いずれも、定員30名/先着順、開始30分前受付開始、参加費無料・事前申込不要。
〈ミュージアム・トーク〉
【日時】5月11日(土)・6月1日(土)11:00〜11:45、6月8日(土)15:15〜16:00
【解説】西川哲矢(大阪大学適塾記念センター特任助教)
※定員20名/先着順。展示会場入口前にご集合ください。
詳細はこちらをご覧ください(大阪大学総合学術博物館のWebサイトへリンクします)。
お問い合わせ
大阪大学適塾記念センター
TEL:06-6850-5013 FAX: 06-6850-5015
大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
TEL:06-6850-6284