イベント情報
その釜ヶ崎は、北に新世界のゲイタウン、東に飛田新地とそれぞれ性にまつわる地域と隣接し、労働者から「おかまさんに逢える場所」としても知られていました。こんにち、「クィア」といえば、かっこよくきこえますが、その意味は「おかま」「変態」といった、社会から排除されてきたひとたちに投げつけられてきたことばにあたります。かつて「釜ヶ崎ギンザ」や「飛田本通商店街」にたっていた、「おかま」の男娼たちのすがたは、もう見られなくなりましたが、いまも、「おかまさん」たちは健在です。
2月10日・11日の2日間、こうしたカマとクィアの関係をめぐって、映画上映会と座談会、地域参加型パフォーマンス・イベントが繰り広げられます。
日時 | 2024年2月10日(土)・11日(日) |
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会場 | プッテフィーカ(西成区花園北2-2-2 マンションコスモス1階) 西成永信防災会館(西成区山王3丁目10-20) |
問い合わせ | ほんま なほ(COデザインセンター) naho@cscd.osaka-u.ac.jp 0668506637 |
【開催概要】
カマはまだまだ燃えている:カマボール2024大阪・釜ヶ崎でなりたい自分になる
前夜祭『わたしの居場所:新世界物語』上映会 & 座談会「カマとクィアのキケンな関係」
かつての「おかまさん」たちの生きざまを語る伝説の「ひろ子ママ」を記録したドキュメンタリー映画『わたしの居場所:新世界物語』(武田倫和監督作品、2018年)の上映と、大阪・釜ヶ崎とクィアのかかわりの歴史を知るひとたちを交え、釜ヶ崎でHIVやLGBT、性に関わることを気軽に話せる場を作ってきた「ロカボを食べながらHIVを知る会(HIVカフェ)」による座談会を行います。
日時 2月10日(土) 17:30~21:30
会場 プッテフィーカ(西成区花園北2-2-2 マンションコスモス1階)
上映会 17:30-18:50
『わたしの居場所:新世界物語』(77分, 監督武田倫和, 2018)
座談会 19:00-21:30
「カマとクィアのキケンな関係」
ゲスト 鬼塚哲郎、鹿野由行、宮田りりぃ、ロカボを食べながらHIVを知る会(HIVカフェ)メンバー、ヴィヴィアン佐藤
進行 ほんま なほ
映画解説
15歳で鹿児島から大阪に出て集団就職、新世界でオカマバーにスカウトされ、40歳を機に化粧をおとし、お好み焼き屋「千両」のひろ子ママとなる。新世界と鹿児島、ひろ子ママの生きてきた居場所をめぐる物語。
監督・撮影・編集:竹田倫和、出演:ひろ子ママほか、77分、2018年。
カマはまだまだ燃えている:カマボール2024
「ボールルーム・カルチャー」とは、1970~80年代に故郷、ホームを追われてニューヨークに移り住んだ貧しいアフリカ系・ラテン系のLGBTのひとびとが、それぞれがしたい装いやメイク、立ち居振る舞いをとおして、差別や抑圧のなかで、けっしてなることのできなかった姿になりきって、パフォーマンスする集いのことです。かれらはたがいにケアを営み、ささえあいながら、望む姿でいまを生きる文化をつくっていました。他方、新世界と飛田に隣接する釜ヶ崎は、さまざまな性的指向やジェンダー・アイデンティティのひとたちが生きてきた街であり、いまもなお、それぞれの生き方をちからづよく模索するひとたちのパワーが炸裂しています。2021年3月には、「カマは燃えている― ココ〈ボール〉ルームでなりたい自分になる」と題して、釜ヶ崎の住民によるパフォーマンスが行われました。今回、そのパワフルな出演者たちにくわえ、大阪大学でまなぶひとたちが、性、性別、職業、社会階層、能力を問わず、ひとつの場をともにし、それぞれの望む姿を演じきります。「なりたい自分」を表現するパフォーマーたちといっしょに、観客としてカマボールを盛りあげましょう!
日時 2月11日(日)13:00~17:00
会場 西成永信防災会館(西成区山王3丁目10-20)
出演(予定) かずおちゃん、紙芝居劇むすび、たけちゃん、長谷康雄、メリーけいこ、大阪大学のみなさん、ほか
ゲスト ヴィヴィアン佐藤(アーティスト、ドラァグクイーン)、上田假奈代(NPO法人、こえとことばとこころの部屋:ココルーム代表)、田中均(大阪大学大学院人文学研究科教授)、紙芝居劇むすび
進行 高橋綾、ほんま なほ
本イベントのチラシはこちらから
前回イベントの解説文はこちらから
主催 大阪大学COデザインセンター、カマは燃えている実行委員会