大阪大学 21世紀懐徳堂

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イベント情報

シンポジウム「ポスト体験時代の記憶の継承 —アジア地域史の視座から祈念する私たちのダイアログ—」

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開催日時

2024年10月26日(土)13時から16時30分

社会・経済

国際・言語

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アジア太平洋戦争の終結から79年が経ち、戦争体験者の直接的な証言が聞き取れなくなる「ポスト体験時代」へ入りつつある今日、未来世代への継承が喫緊の課題となっています。そこで、次世代を担う学生たちを主体としながら戦争・戦後体験の意味を問い、未来への展望を描いていくために、昨年、私たちは「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(記憶の継承ラボ)」を立ち上げました。これまで、長崎、沖縄、水俣、福島などの各地を訪れる中で、記憶の継承に向けて尽力する現場の人びとの出会いがあり、その経験の重みと複雑な現実を学びながら多くの示唆を頂きました。沖縄戦とその歴史を背負った現在について学ぶために沖縄へ、とりわけ冷戦下の1950年代に建設が本格化した嘉手納基地の門前町として発展する中で独自の文化を築いてきた街として知られる「沖縄市コザ」を訪れた際、沖縄が数世紀にわたり経てきた歴史の厚みを受けとめつつも、現在も同地で起きている出来事をめぐり、私たちは複雑な葛藤を抱かざるを得ませんでした。

ただし、そうした私たちに対して、現地での貴重な出会いを頂くのみならず、様々な背景を持ってコザに暮らす一人ひとりの模索やエネルギーにより、この街がつくられてきたのだという戦後史を諭してくださったのが、市史編集に日々尽力する職員の方々でした。そこには、これからの街をつくっていくために、コザに多くの人びとが訪れてその歴史を知ってほしいという、コザに暮らす人たちの視座による「コザの戦後史」の継承への願いが託されていました。それゆえに私たちは、ともすれば先の大戦を巡る歴史記憶が、ナショナリティや「加害/被害」の対立構図へと分断的に回収されがちであるものの、それぞれの地域に生きる人びとの営み続けてきた戦中戦後の「生活の現場」を重層的な歴史空間として連続的に捉え直していく重要性を強く認識するに至りました。

そこで本シンポジウムでは、沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」に関わる現場の方々をお招きし、私たちの記録写真と応答させながら、対話形式にて沖縄市の戦後史に関する貴重なお話を頂きます。続いて「戦争がもたらした社会の変容と向き合う生活者の思想的営為」を基調とする研究成果報告を行いながら、それぞれの土地で戦中戦後の現実と向き合い続けながら営まれてきた生活者の思想的営為を、ポスト体験時代に生きる私たちがいかに受けとめながら未来へと活かしていくことが出来るかについて、参加者の皆様と共に考えたいと思います。
日時2024.10.26 Sat 13:00 – 16:30
申込方法参加をご希望の方は、以下のURLから申し込みをお願い致します。
専用サイトの申し込みフォーム
申込期間2024.8.28 Wed – 2024.10.25 Fri
問合せ「記憶の継承ラボ」事務局
emako@hus.osaka-u.ac.jp

日 時:2024年10月26日(土)13:00~16:30
場 所:オンライン開催 with Zoom
参加費:無料(要申込)
言 語:日本語
主 催:大阪大学グローバル日本学教育研究拠点・拠点形成プロジェクト「21世紀課題群と東アジアの新環境:実践志向型地域研究の拠点構築」;
大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」(記憶の継承ラボ)
共 催: 沖縄市戦後文化資料展示館「ヒストリート」; 大阪大学中国文化フォーラム

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