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[イベントレポート]Science café@大阪大学歯学部附属病院 「むし歯治療最前線 削らないむし歯治療とは」

毎回、多くの参加者で賑わうScience café@大阪大学歯学部附属病院 。「気軽におしゃべり」をコンセプトに、毎回、話題提供者が様々な大学の研究についてお話します。今回は2019年2月 28日に開催された、「むし歯治療最前線 削らないむし歯治療とは」の開催レポートです。21 世紀懐徳堂の学生スタッフ、浅川が執筆しました。

21世紀懐徳堂が大阪大学歯学部付属病院、大阪大学歯学研究科との共催で実施しているサイエンスカフェ、通称「歯カフェ」。8回目の今回は、歯学研究科教授 兼 大阪大学歯学部附属病院副病院長の 林 美加子 先生に話題提供をしていただきました。 

science cafe 先生 

さて、今回のテーマは「削らないむし歯治療」です。一般に、むし歯治療と聞くと、削って詰める印象がありますよね。先生によると、このような歯の治療は古くは9000年前、インダス川のあたりで既に行われていたそうです。そんなむし歯治療ですが、これまでは「早期発見・早期治療」が常識だったものが、近年になって「早期発見・長期管理」に変わりつつあると先生は言います。「早期発見・長期管理」とは一体どういう治療なのでしょうか? これから、林先生に詳しく伺っていきます。

science cafe 全体 

そもそも先生によると、むし歯の本数や罹患者数は年々減少しているそうです。具体的には、子供(6年生)のむし歯が平均0.8本と、世界の中でも子供のむし歯の数は群を抜いて少ないとのことでした。ただし日本では、年齢とともにむし歯になる人の数が増加し、20代になるとほとんどの人がむし歯もちとのことでした。

 

一般に、歯は口内が酸性(pH 5.7未満)のときに溶け始めます(むし歯の主原因菌であるミュータンス菌が歯の表面に付着し、酸をつくることで歯の表面のエナメル質が溶けます)。そのため、コーヒーや炭酸飲料(コカ・コーラやレモネードなど)を飲んだ直後に歯を磨くと、歯は削れてしまいます(酸蝕症)。ただし近年では、口内の酸性度だけではなく、酸が出ている「時間」がより重要視されているそうです。

 

 そこで、酸を中和させるためのカギとなってくるのが「唾液」であると先生は言います。ただし、糖尿病を患っている場合や高血圧の薬を服用している場合、唾液量が少なくなるため、結果的にむし歯に罹りやすくなってしまいます。また、上記の病気に罹患していなくても、口内で唾液が出にくいところ(前歯の外側など)はむし歯になりやすいそうです。そのため、口内の乾燥を防ぎ、ミュータンス菌の増殖を防ぐカテキンが多く含まれるという理由から、烏龍茶や緑茶を積極的に飲むことが大事とのことでした。また、寝ている間は唾液が出ないので、寝る前の歯磨きは不可欠とのことでした。 

 

ただし、どんなに予防を行っていてもC0(シーオー)と言われる初期むし歯になってしまうことはあります。この初期むし歯、自覚症状がないことから一般に早期発見が難しいと言われています。そのため近年では、視診に加えて、X線検査によって、なるべく初期むし歯の見過ごし・見落としを減らそうという動きが進んできました。これが「早期発見」を可能にしているそうです。

 

では、実際に初期むし歯が見つかった場合、どうすればいいのでしょうか?

 

最も一般的な対処法は、歯科医で高濃度のフッ素を歯に塗布することです。これによって歯から失われたカルシウムやリンなどのミネラルが補填され、歯の表面が酸に溶けにくい性質に修復されます。それに加えて、自宅でも、フッ素入りの歯磨き粉を使うことや、リステリンなどのマウスウォッシュを使うことで、長期的に歯が溶けにくい口内環境を整えることができるとのことでした。なお、スコットランドでは1日2回の歯磨きの際、うがいを減らす取り組みをしたところ、むし歯が減ったという報告があります。理由としては、うがい回数を減らすことで歯にフッ素が残り、効果が長時間持続するからだそうです。

 

日常生活の中にむし歯予防を取り入れること。それが「長期管理」の考え方です。 

 

このような歯の長期管理にまで着目した治療は、日本歯科保存学会の指導や監修もあり、近年では多くの歯科医にとってのスタンダードとなりつつあります。

  

削らないむし歯治療。まさに夢のような話ですが、その裏には歯磨きや食生活の見直しなど、日ごろの絶え間ない努力が大切であることを痛感させられました。

  

「早期発見・長期管理」

 

 ぜひ、これからも実践していきたいですね。

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