「植物探検隊@春の待兼山を訪ねて」を開講しました。

2019年4月27日(土)に開催した「第21回植物探検隊@春の待兼山を訪ねて」の開催レポートです。
毎年春と秋の二回開催されている植物探検隊。21回目にあたる今回(4月27日と5月11日)は、295名もの方々から応募いただき、抽選で当選された51名(4月27日は26名、5月11日は25名)の参加者のみなさまと、春の待兼山を散策しました。前日は雨模様でしたが当日は好天で散策日和でした。
今年も、前半は大阪大学21世紀懐徳堂招へい研究員の栗原佐智子先生の解説を聞きながら待兼山を散策し、後半は屋内に戻って待兼山の歴史や植物についての講義を受講するという構成でした。
(写真)講師の栗原先生
大阪大学会館から阪大坂の途中にある遊歩道の入口の間でも、多くの身近な植物について解説を聞きながら進み、ちょうど見ごろを迎えたツツジなどを楽しみながら、遊歩道を通ってまずは博物館(大阪大学総合学術博物館待兼山修学館)に到着して見学を行いました。
(写真)ツツジの中を通り抜けて博物館へ
この博物館には、1964年に豊中キャンパス理学部付近で発掘された、およそ40万年前のマチカネワニの化石やワニがいた当時の風景を復元して描いた絵が展示されており、注目を集めていました。さらに屋上では眺望を楽しみながら、周囲の樹木などについての解説を受けました。
(写真)博物館屋上からの眺望
博物館を出ると、いよいよ待兼山に入っていきます。ここでは、榎のような名前は聞いたことがあるような植物から、全く知らなかったものまで、たくさんの植物の解説がありました。前日雨が降ったこともあり、山中ではたくさんのタケノコが顔を出していました。
山頂まで登ると、史跡などを見ながら下山し、21世紀懐徳堂懐徳堂スタジオへと戻りました。受講者の方からは、「長い間近くに住んでいて、待兼山にも入ったことはあったけれど木の区別はついていなかったのでおもしろかった」などの声が聞かれました。
(写真)万葉集にも登場するアカメガシワ
後半の講義では、古くから歌枕として知られ、清少納言の『枕草子』にも登場する待兼山の歴史について、弥生時代の遺跡があること、長期にわたりお墓を作る場所として利用されていたことなど、詳細な解説がありました。
また、阪大坂の横にある中山池がため池であることから、ため池のお話もあり、こうしたため池が関西に特に多いこと、日本最古のダム式ため池は大阪府にある狭山池で、7世紀にできたものであるということを知ることができました。
さらに、大阪大学会館の建物の前に植えられている桃が、先のとがった「天津水蜜桃」であるというお話には、在来種と外来種との観点から、受講者からたんぽぽについての質問もとびだし、盛況のうちに今回の公開講座は幕を閉じました。受講者の方からは、「待兼山を再発見できた」というコメントをはじめとして、多くの満足の声が聞かれました。
(写真)スタジオでの講義
(文責 大阪大学21世紀懐徳堂学生スタッフ 小松)