[イベントレポート]大阪大学21世紀懐徳堂i-spot講座「江戸時代の文字、くずし字を読んでみよう!」

[イベントレポート]大阪大学21世紀懐徳堂i-spot講座「江戸時代の文字、くずし字を読んでみよう!」

2016年8月9日(火)に開催された大阪大学21世紀懐徳堂i-spot講座「江戸時代の文字、くずし字を読んでみよう!」の開催レポートです。21世紀懐徳堂の学生スタッフ、武田が執筆しました。

大阪大学i-spot講座は、大阪市と大阪大学が共同で市民のみなさまに提供する公開講座です。

今回は「江戸時代の文字、くずし字を読んでみよう!」をテーマに、大阪大学文学研究科講師の山本嘉孝先生にお話いただきました。

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小学生と保護者の方を対象に、「読んでみよう、書いてみよう、触ってみよう」の体験を通してくずし字について学んでいきます。

初めに、くずし字はどのような歴史を持つか、現在もどこかで使われているのかをお話いただきました。

くずし字を「読んでみよう」では、こんなプリントを使いました。

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これは、くずし字の一覧表です。くずし字の世界では、1つの音に対して何種類もの文字があります。今、私たちが使っている平仮名とは全然違いますね。

では、早速くずし字を読んでみましょう!

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↑『英字訓蒙図会(えいじきんもうずえ)』という本から。明治4年に出版されました。

この『英字訓蒙図会』に書かれたくずし字、読めますか?参加者のみなさんはすらすら読んでいて、先生もびっくりされていました!

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こちらは、百人一首から。皆さんは読めましたか?

先生いわく、古文は教科書に載っているような現代の平仮名ではなく、くずし字で読む方が面白く感じるとのことでした。たしかに、一見読めないですが、情緒を感じます。

大阪大学文学研究科では「くずし字アプリKuLA」が開発されました。なんと、スマートフォンで、いつでも、どこでも、空いた時間にくずし字を読む練習ができるのです。

くずし字を「書いてみよう」では、自分の名前をくずし字で書く体験しました。

まずは、先生がホワイトボードで書き方を説明。

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先生自らも、各テーブルを回って、くずし字の書き方をレクチャーしてくださいます。

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こんな風にして、平仮名→くずし字にします。

参加者の皆さんは、真剣な様子でくずし字を書いていきます。

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くずし字で書いた自分の名前を練習し、和紙に清書します。小学生の参加者だけでなく、大人の皆さんも夢中!くずし字で書いた自分の名前を見て、皆さん嬉しそうでした。

最後の、くずし字に「触ってみよう」では、先生にお持ちいただいた写本を、実際に手に取ってみて、和本での文字の書かれ方や和本の手触りを体験してみます。

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和紙でできた本は軽く、「軽い!」と驚く人も。

先生によると、和本の軽さや肌触り、形なども魅力の一つだそう。皆さんも、その質感に魅了されたようでした。最後に先生への質問コーナーがありましたが、「和本はどこに行けば手に入るのか?」といった質問もありました。

くずし字の存在を、今回初めて知りましたが、先生に古文を教科書の現代の平仮名ではなく、くずし字で読む面白さについてお話いただき、大変興味深かったです。

参加者の皆様の楽しそうな様子が見ることができ、くずし字もたっぷり体感できました。充実した1時間半を過ごすことができました。

(文責:大阪大学21世紀懐徳堂 武田)

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