大阪大学大学院理学研究科公開講座 サイエンスナイト2019
- 科学・技術

この世は謎に満ちています。私達は、なぜ今ここにこうしているのでしょうか。理学の研究は、そんな素朴な疑問や興味から出発した研究です。その成果の一部を、多くの方に紹介し、少しでも“おもしろい!”という気持ちを共有していただきたい、と思ってこのイベントを計画しました。ひとときの科学の夕べをお楽しみください。
カテゴリ | 科学・技術 |
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日時 |
2019年10月16日(水)
18時00分から19時30分まで
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会場 | 理学J棟2階 南部陽一郎ホール |
定員 | 100名 |
主催 | 大阪大学大学院理学研究科 |
問い合わせ先 |
大阪大学大学院理学研究科 庶務係 https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/science-night/ |
知的好奇心の扉を開く
この世は謎に満ちています。私達は、なぜ今ここにこうしているのか、それを知りたいと思いませんか。この世(宇宙)の始まりやこの世の果てを知りたい、この世を形づくっている物の起源を知りたい、私たちの体がどういう仕組みで動いているのか、つまり私たちがなぜ生きているのかを知りたい、いろいろな物質の不思議な性質の仕組みを知りたい・・・。理学の研究は、そんな素朴な疑問や興味から出発した研究です。その成果の一部を、多くの方に紹介し、少しでも“おもしろい!”という気持ちを共有していただけたら、と思ってこのイベントを計画しました。どうか、ひとときの科学の夕べをお楽しみいただければ、と思います。
〇対象
一般の方(社会人、学生、興味をお持ちの方はどなたでも)
〇受講料
全6講義すべてを受講・・・6,400円
1講義~数講義を選択して受講・・・1講義あたり1,500円
〇講義概要
5月15日(水) 18:00-19:30
系外惑星と地球外生命探査
我々の地球は孤独な存在ではない様です。太陽以外の星の周りを回る惑星、系外惑星は、既に3千個以上見つかっています。これらがどの様に発見されてきたか、また、どの様な惑星達なのかを紹介し、その形成過程を考えます。それらのうち、生命が存在できそうな惑星も見つかっており、今後の地球外生命探査についても紹介します。
講師:住 貴宏(宇宙地球科学専攻 教授)
6月19日(水) 18:00-19:30
DNA複製−生命の鎖を継承するしくみ
私たち人類を含め、この地球上に生きる生物すべては細胞という単位からできています。細胞そして生物の性質を決めているのが遺伝子であるDNAです。生物は、DNAを正確に2倍にして細胞の数を増やし、また次の世代へと継承するしくみを持っています。DNAの変化(変異)は時としてガンや様々な遺伝病の原因ともなります。いっぽう、長い時間の中でDNAが少しずつ変化することが多様な生物を生みだしてきたことも事実です。DNAを継承するしくみの研究の歩みと私たちの生活との関わりについて紹介します。
講師:升方 久夫(生物科学専攻 名誉教授)
7月17日(水) 18:00-19:30
細胞膜はすごく薄くて柔らかい
細胞は、細胞膜という脂質とタンパク質でできている薄い膜でおおわれています。細胞膜自体は非常に複雑でわれわれ化学者の手には負えません。しかし、脂質は小さな分子で化学者でも研究できます。われわれのグループではいろいろな脂質を手作りして、細胞膜と似て非なるもの・人工膜を作って研究しています。化学の知恵をふり絞って両者の類似点を見出し、細胞膜の謎を解き明かそうとしています。
講師:村田 道雄(化学専攻 教授)
10月16日(水) 18:00-19:30
コンピュータ時代の確率論
1940年代、コンピュータの発明当初から「コンピュータでランダムな現象をシミュレートする」という突拍子もない挑戦ーモンテカルロ法ーが始まりました。その挑戦の中で、確率論がそれまで研究してきた対象そのものーランダム性ーの正体が初めて明らかになったのです。講義では、ランダム性の実体である「乱数」を紹介します。乱数はコンピュータで作り出せません。そこで考案されたのが「安全な疑似乱数」という技術です。そのアイデアと働きについてお話しします。
講師:杉田 洋(数学専攻 教授)
11月20日(水) 18:00-19:30
実験で探る素粒子の世界
素粒子は、電子やクォークなどそれ以上分けられない粒子で、我々から星まですべての物質の素となっています。しかし、それらは小さすぎて直接見ることはできません。また、宇宙には反物質がほとんどないなど謎だらけで、それらを説明するには我々がまだ知らない素粒子の世界があるはずです。実験屋たちはどうやって素粒子を「見ている」のか、現在の加速器でも直接作れないような新たな素粒子をどうやって探しているのか、解説します。
講師:山中 卓(物理学専攻 教授)
12月18日(水) 18:00-19:30
超分子ポリマー:物質と生命の間
物質と生命は異なるものと考えられています。しかし、物質も生命も原子、分子から成り立っています。分子や高分子の組合せや組み立てにより、「もの」になるか、生命を形成するかになります。合成高分子においても生体高分子(蛋白質、核酸、多糖類)のように分子と分子との間の相互作用(分子認識)を利用して分子の集合体(超分子ポリマー)を構築することにより、これまでにないような、「生物的」な分子集合体が形成されるようになり、その例について紹介します。
講師:原田 明(高分子科学専攻 名誉教授)