[イベントレポート]2015年度後期i-spot講座「水の都・大阪の水はきれい?汚い?〜川、港そして海」

2016年3月3日(木)に開講された、2015年度後期i-spot講座の第6回「水の都・大阪の水はきれい?汚い?〜川、港、そして海」の開講報告レポートです。

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第6回講座は、工学研究科の入江政安准教授にお話していただきました。

講座の前半では、道頓堀川について、綺麗なのか?汚いのか?綺麗にするために、どのような解決策が講じられているのか?ということについて、お聞きしました。

道頓堀川が汚い原因は、大きく3つ考えられます。

まずひとつめは、寝屋川からの水が入ってくることです。

北は枚方市,南は柏原市から,生駒山地と上町台地の間,淀川と大和川の間の水を集めて流れてきて、道頓堀川・土佐堀川・堂島川に注ぎ込む寝屋川は、下水処理場の高級処理がまだ整っていないことや、特に雨天時に処理しきれなかった水があふれて、そのまま汚水を流してしまうことで、きれいでないままです。

道頓堀川は2つの水門を作ることで寝屋川の水をせき止めているため、そのまま寝屋川の水が流れ込む土佐堀川、堂島川よりこの点ではきれいであると言えます。

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(写真:「堂島川と道頓堀川、飛び込むならどっちの川?」という質問に答える参加者の皆さん。)

二つめの原因は、道頓堀に直接放流される下水未処理水です。読んで字の如く処理しきれない水のことをこう呼びます。汚水管と排水管の両方が備えられている分流式下水道が整備されるまで、雨天時には道頓堀川に未処理の下水と雨水の混ざった汚水がそのまま流入していました。しかし、2014年「平成の太閤下水」と呼ばれる大工事によって、雨の日でも下水が流入することはなくなりました。

最後に、海水の流入があげられますが、これについても現在、海水を入れない水門操作を検討中で、近く改善される見込みです。

先生のレクチャーで、川が汚くなる原因をひとつひとつ解決したことによって、「汚い」「常にゴミが浮かんでいる」といったイメージがつきまとう道頓堀川が、随分キレイになったことがわかりました。「道頓堀川は汚い!というイメージがある方、ぜひ実際の川を見てみてください。ゴミが浮かんでいることは、もうほとんどないはずです。思っているよりキレイで驚くと思いますよ」という入江先生のメッセージに、参加者の皆さんも納得した様子でした。

講座の後半では、水の綺麗さをはかる指標のひとつ、BOD(Biochemical Oxygen Demand)や、大阪の飲料水事情、そして都市圏の海で最近問題になっている青潮問題についてお話がありました。

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最後の20分は、先生への質疑応答タイムです。

この日の質問には、「下水処理場が整備される順番には、どんな基準があったの?」「大阪の海はどのくらい綺麗?」などの質問があがりました。

その中で、先生が「これは僕の宿題にします。後日、ホームページで公開します」と持ち帰った質問、皆さんおぼえていますか?入江先生から、答えをお預かりしたのでここに掲載します。

質問:「川の水は、上流に位置する滋賀・京都の人にどれくらい使われてから大阪に入ってきているの?」

答え:「少し古いデータが混じりますが,木津川,宇治川,桂川が合流して,淀川が枚方を通過する頃には,川の中を1秒間に273トンの水が流れています。京都府の下水処理場で処理されて放流されている量は1秒間に14トン、滋賀県の下水処理場から放流されている水1秒間に4.6トンです。意外と少ないでしょうか?」

「滋賀県も京都府も下水処理場には高度処理がほぼ完備されており、相当きれいにしてから放流しています。」

2015年度後期i-spot講座

「大阪の水は、どんどんキレイになっています。「水の都・大阪」に住むひとの矜持として、my川、my 水辺、my橋を持ちましょう。川がキレイになっていく様子が、きっと実感できます」という言葉で講義を締めくくった入江先生。参加者の皆さんからは、「町の川について知ることができてよかった」「土佐堀川と道頓堀川の違いについて、初めて知った」など、身近にありながら知らなかった川のことを、改めて詳しく知ることができたという声が多くあがっていました。

(文責:21世紀懐徳堂 肥後)

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