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[スタッフレポート]大阪大学×大阪ガス「アカデミクッキング」/vol.8「眼と耳と舌で味わうシャガール」を開講しました!

大阪大学21世紀懐徳堂が大阪ガスと協働で開講している「アカデミクッキング」のvol.8「眼と耳と舌で味わうシャガール」に潜入したスタッフの体験レポートです。

大阪大学21世紀懐徳堂と大阪ガス株式会社は、「専門分野の講義」とそれにちなんだ「料理実習・試食」を通して実践的に教養を深める、新しいタイプの講座・「アカデミクッキング」シリーズを開講しています。

料理をきっかけに新たな学びのスタイルを提案する本講座の8回目を、5月20日(金)18:30~21:00に、大阪ガスクッキングスクール千里にて開講しました。

今回のテーマは「眼と耳と舌で味わうシャガール」。講師はシャガール研究が専門の美術史家であり演奏家でもある樋上千寿先生。東欧ユダヤ音楽「クレズマー」のクラリネット生演奏つき特別企画で、シャガールの芸術世界に視覚・聴覚・味覚から迫りました。

講義ではシャガールの作品も紹介されました

■講義前半はシャガールの作品解説です

 

シャガールが生まれ育ったのは白ロシア・ベラルーシの「シュトテール(ユダヤ信仰を核として営まれる共同体)」。ユダヤ人にとって、食事や踊り、歌を含む生活全体が、信仰と結びついているそうです。シャガールの描く作品に登場するモチーフも信仰と深く結びついたものが多いとのことで、有名なモチーフである「バイオリン弾き」や「花嫁」について、その意味するところの解説がありました。「花嫁」は、単に幸せな「男女の愛」だけでなく、父祖の地を追われた自分たちの離散状態の終焉「聖婚(男性原理である神と、神から分離した神の属性で、女性原理の“シェキナー”が再び一緒になること)」を表現したものでもあるそうです。

講義の中では、「バイオリン弾き」が奏でていたであろうイディッシュ民謡を鑑賞する時間も。こぶしのきいた歌声の哀愁を感じる音楽でした。

「ガスン・ニグン」を演奏する講師

■「ガスン・ニグン」を演奏する講師

 

話題は絵画から東欧ユダヤの大衆音楽「クレズマー音楽」に移ります。「クレズマー音楽」は結婚式での演奏がメインとのこと。多くの場合、新婦の父が娘のために招いた楽団が、フィドル(バイオリン)、クラリネット、ツィンバロン(ピアノの原形と言われる打弦楽器)といった楽器で“花嫁の気持ち”を代弁するそうです。ここでも「花嫁」がキーワードとして登場!

講師が生で演奏した「ガスン・ニグン」は、花嫁の実家で最初に演奏される曲ですが、どこか悲しいメロディ。曲風がそのようになっているのは、必ずしも本人の意思による結婚ばかりではなかったからだそうです…。ですが、思わず手拍子したくなるような明るい旋律の音楽もありました。

演奏後はユダヤ料理についての解説を聞きました。

厳密な意味でのユダヤ料理とは、聖書=神の言葉によって厳しく規定された食材と調理法で提供されるものですが、実際には、ユダヤ人の離散地の郷土料理がこの規定の範囲内でアレンジされてできた究極の「無国籍料理」だそうです。イースト菌を入れないパン「マツォット」は、エジプト脱出の際にパンを発酵させる時間がなかったことに由来するなど、史実を後世に伝える役割を担うものも。身近なユダヤ料理の例としては、ボルシチやベーグルが挙げられました。

 

講義のあとは、いよいよ料理実習開始です。

今回のメニューはユダヤ風シチュー「ツィメス」、ポテトパンケーキ、ピタパン、サーモンマリネです。

調理実習開始 

■料理実習開始!

ポテトパンケーキ

■ポテトパンケーキが焼けました。

ピタパン

■香ばしいピタパンも完成

メニュー完成

■ 課題料理完成!

 

ニンジンとサツマイモをオレンジジュースやハチミツで(!)煮込むユダヤ風シチュー「ツィメス」は通常のシチューのイメージとはずいぶん違い水分が少な目ですが、色鮮やかで甘い香りでした。

今回のメニューの食材は、ユダヤ料理の原則(コシェル)に基づいて選んでいます。例えば、マリネにしたサーモンは、「鱗とひれのある海生生物」なので食べてもOK、それに当てはまらないウナギや甲殻類はNGといった厳しい規定が。これらは「教義」として遵守を義務付けられていますが、衛生管理上の科学的な根拠に基づいているそうです。

ユダヤ料理を調理し、味わいながら、食事規定とその背景にある信仰生活も学ぶことができました。

試食中BGMを生演奏

■講義の締めくくりは「クレズマー音楽」の生演奏。

 

質疑応答ではユダヤ料理の食事規定についてなどの意見が交換され、最後はクレズマー音楽の生演奏で終了。

2時間半の講座を通じて、シャガールの作品に登場するモチーフの意味や、実際に奏でられた「クレズマー音楽」、そして描かれた人々が食べたであろう料理に触れ、シャガールの作品世界のベースとなる「信仰生活」の一端を学ぶことができました。

受講生からは、「講師の生演奏が素晴らしかった」、「ユダヤ料理が興味深かった」、「絵画と音楽と料理、とても楽しめた」等の声をいただきました。

 

 

次回のアカデミクッキングは“エキゾティックとは何だったのか”をテーマにした講義と、タジン鍋を使ったモロッコ料理実習です。お楽しみに!

 

(21世紀懐徳堂スタッフ 中西)

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